「bring oneself to」は何かやりたくないことをやるという意味の熟語です。
主に否定文で使われることが特徴です。
「oneself」が「someone」になると「やりたくない」が消え、中立的になるので紛らわしいです。
目次
英熟語「bring oneself to」の意味と使い方を解説
「~する気になる」
「bring oneself to」は「bring oneself to do」と、動詞の原形を取って「~する気になる」を意味します。
「to」の後に指示される動作は、通例「やりたくないこと」で、can’tやcouldn’tといった否定形で使われることがほとんどです。
【1】Jessica’s parents finally brought themselves to read her death certificate.
(ジェシカの両親は遂にジェシカの死亡証明書を見ることにした)
【2】Max knew that he misbehaved, but he couldn’t bring himself to apologize.
(マックスは自分が無作法であったことは理解していたが、謝る気になれなかった)
【3】Taylor could not bring herself to find a new job.
(テイラーは新しい仕事を探す気になれなかった)
「bring oneself to 」の使い方や間違えやすい所など
「bring oneself to (do)」に対して、形式がほとんど同じの「bring someone to (do)」という熟語もあります。
両者とも「bring」の「ある状態に至らせる」という意味からくる用法です。
【4】bring someone to ~:〇〇に~するようにさせる
【5】This book brought me to realize that we should eat healthy.
(この本によって、私は健康的な食事をすべきだと気付いた)
2つの熟語の違いは2点あります。
1点目は、直接目的語が「oneself」か「someone」か。
2点目は「to」節の動作がやりたいことかどうかです。
「oneself」は再帰代名詞と言って、主語と同じ物/人を表します。つまり主語と「oneself」は同一人物である必要があります。
構文的には、主語が自分で自分を~するようにさせる、と分解でき、「~する気になる」となります。一方「someone」は誰でも構いません。
「to」節で表される動作は、「bring oneself to (do)」の場合は「やりたくないこと」であったのに対し、「bring someone to (do)」の場合はそのような意味は特にありません。中立的です。
【6】a) My Japanese friend brought me to eat ramen, which became one of my favorite foods.
(日本人の友人がラーメンを食べさせてくれて、お気に入りの食べ物の一つになった)
b) But I can’t bring myself to eat natto.
(でも、納豆は食べる気になれない)
「bring oneself to」の類語・言い換え表現を解説
「force oneself to」を使った言い換え
「force oneself to」は、「force(強制する)」を自身の行動に対して使う表現で、自分の意思に反してという意味を出すことができます。
「force oneself to」は否定文の中で使われる傾向はありません。肯定文で自由に使えます。
【7】I forced myself to appear calm.
(私は努めて冷静を装った)
【8】He forced himself to say that her painting was great.
(彼は彼女の描いた絵は素晴らしいと、心にもないことを言った)
「make oneself do」を使った言い換え
使役の意味の「make(~させる)」を使って「bring oneself to」の意味を表すことができます。
【9】I can’t make myself just sit down and watch soap operas for a couple of hours.
(私は、ただ座って何時間も昼メロを見ていようなどという気は起きない)
【10】I couldn’t make myself read through his letter, because his handwriting was so bad.
(彼の字があまりに汚いので、彼の手紙をお終いまで読もうという気になれなかった)
「bring oneself to」の反対語は?
「bring oneself to(~する気になる)」の直接的な反対語ではありませんが、「get around to」は、やろうと思っていてやっていなかったことを遂にやる、手が回るようになる、という意味です。
「bring oneself to」にある「やりたくないこと」という含みはありません。
【11】I’m not sure when I’ll get around to visiting my parents’ home.
(いつ実家に帰れるか、よく分からない)
【12】We never got around to thanking her.
(私たちは彼女にお礼を言わずじまいだった)
【13】Sorry, I haven’t gotten around to replacing the lightbulb.
(ごめん、まだ電球を換えていない)
英熟語「bring oneself to」のまとめ
やろうと思ってもやりたくないから出来ない、という思いのこもった否定形でよく使われる「bring oneself to」、しっくりきましたでしょうか。
「get around to」に見える、気付いたらやっていなかったような状況と対比して理解を深めてくださいね。
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